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ハッタリ書く人、好きこのんでだまされる人

さて今日も元気に悪口を書こう。

私は最近の『貧乏物語』の訳注で、「マルクスを面白がっている」と書いた。可能な限りわかりやすく書き、訳すのが、私の方針というより趣味だからだ。

何が面白いか? それはマルクスが、自分の貫目以上に自分を偉そうに見せようとしていることだ。言い換えると、俺は偉いのに、なんで世間の連中は有り難がらないんだというあせりが見える。これは19世紀以前という時代のせいだ。
中川いさみ 知りたかねーよ
©中川いさみ

一度でも西洋の思想書を読んだことがあれば、これはわかるかも知れない。どんなに偉い学者でも、自分は偉いんだぞと言いたがる自我から自由でない。フランス指折りの貴族様だったモンテスキューも、わかりやすく書く気が全くない。

かけがえのない自分と、愚者と賤民がいる、そうとしか見えなかったわけだ。

わからなかった難しいことを、わかりやすく解いてみせるのが学問だから、思想書学術書は本来、わかりやすく書くのが当然になる。しかしいくらヨーロッパでも、昔は学問の目的が、未知を解明することだけにあったのではなかったわけだ。

いや、余は偉いのである、オホン、それがむしろ主目的だったと言っていい。その原因は科学技術の未発達のせいで、それこそ食は足りなく、疫病は流行りっぱなしで、たとえ貴族だろうが学者だろうが、いつも怯えていたからだ。

要は難解な文にびっくりして、お金や魂を差し出しなさい、それが目的だ。

イナゴ wiki
画像出典:wiki
ずいぶん最近まで、ヨーロッパ諸国に首都なんて無かった。なぜならたまたま税が取れたところへ、王様が廷臣どもをぞろぞろ引き連れて、メシを食いに移動し、食い尽くしたらまた移動していたからだ。そう説明すれば理解できるだろうか。

偉そうに見えればお金が集まり死なずに済む。それが学者なる者の目的だった。産業革命とノーフォーク農法と種痘で、いち早く餓え疫病から無縁になりつつあったイギリス学界が、最初にわかりやすい文章を書き始めたことは注目していい。

イギリスがそうなれたのには、加えて海賊稼ぎとアフリカでの人さらいをさんざんやり尽くした事情もある。だがどうやって稼ごうがカネはカネで、カネがあれば余裕が出来、偉そうにしなくても学問に専念できたわけで、これが歴史の事実だ。

これが英米の実利主義と、世界制覇に繋がった。

まことにマルクスの言う通り、それが出来なかった大陸ヨーロッパでは、わかってもワケわからんように書かなければ、有り難がられないしカネにもならなかった。貴婦人・金持ち連中をぼんやりさせる、魔法にならないからだと言っていい。

今の日本で、坊主が意味不明の経をとなえて布施をむしるのに似ている。

だから訳文は後段の、漢文訳も同じ趣味にした。中国は今に至るまで、餓え疫病が隣り合わせだ。だから漢文なるものも、わかりやすい・意味がはっきり取れるように書いてない。書かれた時代を知らなければ、解けないパズルのようだ。

それを思いもしないで古典を読めば、頭がおかしくなる。安能努先生に、かつて中国の老学者が言ったという。儒教教典を取り出して、「こんなものばかり読んでいたから中国の学者政治家は頭がおかしくなって、とうとう国を滅ぼした。」

無理もない。読めば頭がおかしくなるように書いてある。

おかしくなるのは漢文読みだけでない。マルクスエンゲルスだろうがデカンショだろうがサルトルだろうが、わかりやすく書く気のない連中の文章をクソまじめに読めば、頭がおかしくなって当然だ。わかろうとする根気もない連中は、なおさらだ。

団塊と左右活動家の、頭がおかしく自覚も出来ない理由の1つはこれだ。

21世紀の今、偉そうにしたところで同じ人間、ハッタリはいずれバレると明らかになるところまで学問は進んだ。それどころか人とサルとで、遺伝子は九分九厘同じともわかった。そんな時代に偉そうな訳文書いて、何の意味があるのか?

たった一人の人間の、本当の敵とそのあまりの強大がわからない奴だけにある。

画像出典:wiki

もっと救いがないのは、この期に及んでわけわからん文章を有り難がる連中で、それはいわゆる貧乏人や低学歴者に限らない、中途半端な金持ちや学者や企業人・役人の方に、むしろ多いことを私は知っている。バカの集まりではないか?

そう考えて、あのように訳した。文句があったら読まなきゃいい。
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プロフィール

九去堂

Author:九去堂
乗騎と、美酒と、かくもロクでもないこの運命を讃えて


九去堂(きゅうきょどう)、またの名を他莫阿弥(たもあみ)、逐電齋、不羈庵(ふきあん)。賭場往来人、ケロ教徒、大学院デビューの不良。天涯孤独にしてあるじを持たず。よく酒を飲み、煙をふかし、馬に騎り、わずかに稼ぐ。世になきものはこの手で作るべしと思へり。晴読雨読、時に刀槍を振るう。振らば稽古なりとも、仇なさぬに得物を当てるを嫌う。死後に世無く、生前も無し。バクチを嫌い仏法を好むラララ科学の子なれば、神無くまた唯物の誤りをも知る。

人知らずして憂いなし。

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